『福音の少年』 あさのあつこ(角川書店刊)
2006年1月12日 読書
アマゾンなどでも読者レビューの評価が高いこの作品。
作者あさのあつこさんは『バッテリー』が有名ですが、
私は読んだことがありません。
ですが、現在4巻まで刊行されている
『No.6』の続きを楽しみにしているくらい、
最近好きになった作家さんです。
図書館で予約をしていたのですが、順番が来るのをとても楽しみにしていました。
内容はといえば、
アサヒ・コーポというアパートが全焼、9人が亡くなります。
その被害者の一人、女子高生・藍子の幼馴染の陽と、藍子と交際していた明帆は、
この火事が事故ではなく、故意に仕掛けられたものだと知ります。
そしてその原因は藍子にあることも。
犯人は誰か? 動機は? そして藍子に隠された秘密は?
…と書くと、ミステリーのように思われますが、ミステリーではありません。
犯人、動機、藍子の秘密。
その解明までの道のりがミステリーの醍醐味のひとつならば、
いずれも全て想像通りだったことからも、決してミステリーとは言えません。
『No.6』もそうだったんですが、
2人の少年が自分に欠けている部分をお互いに補い、
時に反発しあいながら次第に親密さを増して行く、
友情と言うには不器用すぎるその過程が主に描かれています。
恐らく藍子の死も、その解明も、そのきっかけにしか過ぎないのでは?
読み終わった第一の感想は、“続編が出来るんじゃないかな?”
と言うか、出来て欲しいと思っています。
「なぜ?」「どうして?」「この後どうなるの?」「どうなったの?」が
あまりにも多すぎるからです。
その文脈の中の空白を自分の中で補うことが好きな人にとっては、
評価が高い1冊になると思うのですが、
自分の抱いた「なぜ?」がきちんと描かれ、
さらにその理由・原因に納得できる小説が好きな私にとっては、
正直言って消化不良気味。
これから2人の少年達の関係を描くためのプロローグのように思えました。
そしてもうひとつ。
藍子に固執する人間は2人の少年だけではありませんでした。
彼らにそこまで思わせる藍子の魅力を、きちんと描いて欲しいと思っています。
結構批判的に書いていますが、
それでもあさのあつこさんの小説に対する期待は大きいです。
これからも読んでみたいと、楽しみにしている作家さんの一人です。
(ISBN:4048736310 単行本 あさの あつこ 角川書店 2005/07/20 ¥1,470)
作者あさのあつこさんは『バッテリー』が有名ですが、
私は読んだことがありません。
ですが、現在4巻まで刊行されている
『No.6』の続きを楽しみにしているくらい、
最近好きになった作家さんです。
図書館で予約をしていたのですが、順番が来るのをとても楽しみにしていました。
内容はといえば、
アサヒ・コーポというアパートが全焼、9人が亡くなります。
その被害者の一人、女子高生・藍子の幼馴染の陽と、藍子と交際していた明帆は、
この火事が事故ではなく、故意に仕掛けられたものだと知ります。
そしてその原因は藍子にあることも。
犯人は誰か? 動機は? そして藍子に隠された秘密は?
…と書くと、ミステリーのように思われますが、ミステリーではありません。
犯人、動機、藍子の秘密。
その解明までの道のりがミステリーの醍醐味のひとつならば、
いずれも全て想像通りだったことからも、決してミステリーとは言えません。
『No.6』もそうだったんですが、
2人の少年が自分に欠けている部分をお互いに補い、
時に反発しあいながら次第に親密さを増して行く、
友情と言うには不器用すぎるその過程が主に描かれています。
恐らく藍子の死も、その解明も、そのきっかけにしか過ぎないのでは?
読み終わった第一の感想は、“続編が出来るんじゃないかな?”
と言うか、出来て欲しいと思っています。
「なぜ?」「どうして?」「この後どうなるの?」「どうなったの?」が
あまりにも多すぎるからです。
その文脈の中の空白を自分の中で補うことが好きな人にとっては、
評価が高い1冊になると思うのですが、
自分の抱いた「なぜ?」がきちんと描かれ、
さらにその理由・原因に納得できる小説が好きな私にとっては、
正直言って消化不良気味。
これから2人の少年達の関係を描くためのプロローグのように思えました。
そしてもうひとつ。
藍子に固執する人間は2人の少年だけではありませんでした。
彼らにそこまで思わせる藍子の魅力を、きちんと描いて欲しいと思っています。
結構批判的に書いていますが、
それでもあさのあつこさんの小説に対する期待は大きいです。
これからも読んでみたいと、楽しみにしている作家さんの一人です。
(ISBN:4048736310 単行本 あさの あつこ 角川書店 2005/07/20 ¥1,470)
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