今日が、テレビドラマ「黒い太陽」の最終回でした。
全8回。正直言って、面白かったのは最初の回だけ。

この内容を8回って言うのは、確かに大変だったかもしれませんが、
随分と大味なドラマでした。

永井大さん演じる主人公の立花がどうにも…。
一体何をどうしたいの?!って思っちゃいました。

酒井若菜ちゃん演じる笑子の献身によって立花は、
「レッド・フェニックス」という自分のキャバクラ店を構えます。

前回、立花と笑子の質素な同棲生活を見て、
一体いつの時代なんだろう?って驚きましたが…。
フォークソングの「神田川」(だっけ?)の世界です。
二人で狭い部屋に住んで、お風呂は銭湯。
銭湯の出入口で立花が笑子を待っている。

お金を貯めよう!って堅く決意して実行に移そうとなると、
本当にこういう生活になるのかもしれないけれど、何とも現実感が無くて。
演じているのが、そういう生活をしそうにない俳優さんたちだったからかなあ…。

笑子は自分の住んでいた虎の子のマンションまで売って、立花の夢を応援します。
店舗も笑子のお客さん。そのツテで格安で借りれるのです。
笑子サマサマ。本当に、献身的です。

そうして開店したお店に、笑子と相性の悪い、
かつて一緒に働いていたキャバ嬢・奈緒(滝沢沙織さん)を店に呼び寄せ、
立花が密かに好きな、千鶴(井上和香さん)を引き抜く。
さらにさらに、立花の幼馴染の看護師・久美子(杏さゆりさん)
までもがバイトし始める。

笑子の心中は嫉妬に不安、色んな感情が交じり合って、もうぐちゃぐちゃ。
そこで立花と衝突して、店を出てしまうわけですが…。

笑子がいなくなったら、千鶴に「お前がいれば…」などと言う立花!
オマエはかつて、笑子にも同じ事言ってただろうが!ヽ(`⌒´メ)ノ

千鶴を引き抜いたことで、風俗王・藤堂(伊原剛志さん)を怒らせてしまい、
何と、藤堂は「レッド・フェニックス」の真向かいに、
「ホワイト・イヴ」というキャバクラをオープンする。
その店のキャストも黒服も、
立花が藤堂グループのキャバクラの店長をしていた時のメンバーだった…。

藤堂の画策で、キャストの引き抜き、キャストの派遣も断られ、
家賃も当初の条件から引き上げられる。

久美子も辞めると言い出し、久美子の勤める病院にキャバ嬢のバイトの事を暴露する。
結果、久美子の怒りを買い、久美子の担当の黒服も怒らせる。

かつての仲間からも脅迫され、結果、追い詰められていく立花。
そこへ、千鶴を辞めさせることを条件に、
「ホワイト・イヴ」のナンバーワン・冬海が移籍する。
そして立花は持ちこたえ、「ホワイト・イヴ」は閉店…。

笑子に続き、今度は千鶴まで切ってしまうわけで。
さらに冬海の移籍の理由が、
「藤堂が愛しているのは千鶴で、自分じゃないから許せない」というもの。
最も、藤堂が立花を徹底的に潰そうとするのも、千鶴が立花を好きだからで。

色と欲、女と男、打算と純粋、キャバクラという典型的な世界で、
相反するものを描きたかったのかも知れないけれど、全然まとまってない。

人物の行動をなぞっているだけ。心情描写は言葉で表現するから、奥行きがない。
登場人物も回数の割りに多すぎ。ちょっと出て、ドラマの展開には、
あまり意味も無く存在して去っていく。
そういう世界だから、って言えばそれまでだけど、つまらない。

ラストは父親の臨終にも立ち会えず、
かつてキャストを財界の大物に紹介した事実で、売春斡旋で警察へ。
恐らく藤堂がやったこと。藤堂はこの財界の大物まで“売った”ということ?
目の前で父親が亡くなろうとしているのに、立花は会うことも叶わず、
そこまで警察は非情なのでしょうか?

さらに、自分を脅迫して撥ね付けたかつての黒服に刺される立花。
パトカーに乗る直前だったけど、警察官は刺した犯人を揃って取り押さえ、
刺された立花は放置。ちなみに場所は病院の敷地内。
すぐに運び込まないって、どういう事???

ドラマは全8回。その限られた短い時間の中で、
立花の上昇を描くなら、もっと非情に描くべき。
非情になりきれないなら、もっと詳細に描くべき。

キャバクラを舞台に、立花と藤堂、立花とキャストの人間関係を描くなら、
登場人物を少なくしてじっくりと演じるべき。

中途半端感が拭えないドラマでした。
唯一最初から最後まで見たドラマだったのに、ホント、もうがっかり!

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