ようやく読み終わったハリー・ポッターシリーズ
6作目の最新刊。
今回、図書館で予約した本がこの上下巻を入れて
4冊も届いてしまったので、読むのが大変でした。

この『ハリー・ポッターと謎のプリンス』は、
予約してから半年くらい待って読むことが出来ました。
発売前から予約したにも関わらず、すでに予約者がたくさんいたからです。

読みたい本は購入するのが常の私ですが、
このハリー・ポッターシリーズ、どうも買うに気はならないのです。

ちなみに、今回の内容。

前作の活躍で、一躍時の人となったハリー。
ハリーの活躍のお陰で父親がアズカバン送りとなったドラコは、
怪しい動きを見せ始める。
それを探るハリーは、スネイプがドラコの味方になっていると知るのです。
それをダンブルドア校長に報告しても、スネイプを信じる校長。
そして、事件は起こった…。

ハリーだけじゃなく、ロンやハーマイオニーにも、
そしてほかの友人達にも成長のあとが見られます。
このシリーズの楽しさは、ファンタジーとしての面白さ以上に、
登場人物の人間関係、キャラクターの良さにあると思います。

だからこうやって6作も根強いファンが居るんだと思うのですが、
どうもハリー・ポッターシリーズ、読んでいると楽しいけど、ノレないのです。

その原因は翻訳にあるのかな〜と思っています。
私の英語は文法こそそれなりですが、あまりにも単語力がないため、
原語では読んだ事ありません。
でも、原作の雰囲気はきっとこうじゃないだろうな、と思うこと度々。

ハリー・ポッターの世界は、どうやら90年代が舞台らしいのですが、
読んでいると言葉遣いがどうみても大昔。
ダンブルドア校長の話し方、ハリーの同級生たちが使う言葉。
90年代のものではありません。
これは魔法使いの世界と現実世界の違い? それにしては、ちょっと…。

日本語の文章も分かりづらい、おかしな箇所も結構あります。
翻訳の小説には確かに少なくはありませんが、読んでいて
「てにをは」について、アレ?と思うことはないんだけれど。

実際この翻訳者の方に会った事などありませんが、
この方のやり方には、疑問に思うことも多いのです。

いえ、最近の脱税疑惑とか、
上下2冊に分かれたハリポタシリーズはセットじゃなきゃ売らないとか、
本屋からの返品はしないとか(これはちょっとヒドイと思いますが)、
そういったことではありません。

あとがきに、随分と個人的なことを書きすぎるからです。
翻訳者があとがきを書くことは、多くの外国書で見られることです。
末尾2行くらい、個人的なことを書く翻訳者も居ます。
でも、この松岡さんは長すぎ。

今回の『謎のプリンス』でも、ご家族が亡くなった事を延々と書いています。
確かに、読者としてご冥福を祈りたい気持ちはあります。
翻訳者として、このシリーズにそれだけ思い入れがあると
言いたいのかも知れません。
でも、あとがきを個人的な場にするのは、好感持てなくて。

以前には、次回作のネタバレも堂々と書いてあったし。
今回のあとがきにも、それらしいことが書いてある。

シリーズ物の面白さを奪わないで欲しい!

読み勧めていくうちに分かる、ワクワク、ドキドキを大切にしたい。

本は、翻訳者が私的に扱っていいものじゃないことを分かって欲しい!

あとがきには、著者の近況や、今後最終作のスケジュールなど、
読者の知りたいことを中心に書いて欲しい。
読めば分かる様な内容の復唱なんて要らない。

それと…原作の雰囲気を忠実に踏まえて、
日本語としてスムーズな文に訳して欲しい!

原語で読んだ人の話だと、随分と違うとのこと。
登場人物の描写も、原作ではもっと知的でスマートな人物が多いのに、
子供向けに徹しているせいか、それが表現されていないらしい。

ハリー・ポッターシリーズは1年に1度ですから、
細かい事情を忘れていることも多いです。
そんな時、あらためて本を読むよりも、
むしろ映画を観た方がいいかも知れません。

かつて映画館で第1作、2作を観ましたが、観客に子供が多くて、
オトナなんだけどコドモみたいな人も結構居て、じっくり観れませんでした。

ハリポタシリーズが最終作を発表して、映画もシリーズ完了したら、
DVDで、自宅で一気に観たいです。

(ISBN:4915512576 単行本 松岡 佑子 静山社 2006/05/17 3,990)

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