「ワールドトレードセンター」を観て来ました(ネタバレあり)
2006年10月12日 映画9月21日に「ユナイテッド93」を観てからと言うもの
(http://diarynote.jp/d/74000/20060921.html)、
9.11関連の映画やDVDをよく観ています。
この映画も、ずっと気になっていました。
主人公が乗客でもハイジャック犯でもない。
ハイジャックを知って対策を考えていた管制官や軍の関係者でもない。
ハイジャックの事実さえも知らないまま救助に向かった警察官の、
事実を基にしているからです。
今回、思いっきりネタバレありです。
観る予定のある方、ご注意ください。
内容はといえば…。
Yahoo!の映画レビューの中で、
「これは一体誰に対しての映画なのか」といったことが書かれていました。
作る側からすれば、「誰」という具体的対象を明確に、
映画を作成するわけではないと思います。
多くの犠牲を伴った、そしてその後の世界をも変えた9.11。
その陰に、こんな事実があったのだということだけを、
伝えたかっただけなのではないかと思うのです。
ただ、「ユナイテッド93」から引続き関連の映画などを観ている私には、
このレビュアーの言葉、よく分かるのです。
ほかの作品だと、ご遺族の方や事件の詳細を知らない人が観たとして、
事件の背景を理解したり、ハイジャック犯たちの反抗を阻止し、
その結果亡くなった乗客たちの死を悼む心が生まれてきますが、
この映画だと、最後には2人の警察官は助かり、
良かったね良かったね、とただ涙し、家族愛に共感し感動します。
見終わった後に生まれる感情が、ほかの作品と較べて弱いからです。
ほかの作品がドキュメンタリーに近いとすれば、この映画は典型的ハリウッド映画。
でももちろん、批判しているわけではありません。
分かりやすいのです。
警察官らしい使命感。助けを待つ間の緊張感。家族への愛情。
瓦礫の下敷きになりながらも、アメリカ人らしいユーモアすらあります。
そして、こんな状態になった時に助け合う人間愛。
主人公とその家族以上に胸を打つ登場人物たち。
救助に向かうビジネスマンは、かつての海兵隊員だった。
消防や警察が崩壊の危険があるため救助をためらう中、
その経験を活かして瓦礫の下に埋もれた警察官達を見つける。
救助隊員たちも、救助途中で崩壊の危険もある中、覚悟を抱いて活動している。
怪我をしている警察官の処置をするため、軽装の男性看護師も
救助隊員と共に瓦礫の下に向かう。
途中、危険だからと戻る事を勧められても、
「リハビリから立ち直り、ようやく人を助けることができるのだから」と、
救助と応急処置を続ける。
中でも一番印象的だったのが、警察官の家族が病院で待つ間、
家族の一人が出会う、ある母親です。
息子がWTCのエレベーターボーイだという黒人女性。
前日、帰りが遅く作った夕食が無駄になったという理由で、
息子を叱ったという女性は、その話をしながら泣き崩れる。
ささやかな日常、ありきたりな家族の話を、テロがつらい思い出へと変えていく。
テロが人生にどれだけ大きな影響を、悲しみを与えたかということを、
端的に理解できるエピソードです。
後半、劇場内は洟をすする音があちこちで聞こえました。
私のひとつ隣に坐っていた女性は、何度も指で目を拭っていました。
分かりやすい分、胸に迫るものがありました。
私も、洟をすすり眼をウルウルさせながら、観ていました。
2人の警察官は何回も手術を受け、1人はどうやら足に障害を負ったようです。
現在は警察を退職し、家族と共に穏やかに生活しているようです。
そして警察官を瓦礫の下から見つけた海兵隊員は、
その後イラクへ向かったそうです。
もう5年。まだ5年。この映画を観て思ったことは、
9.11のテロ事件がアメリカにもたらした衝撃の、
その「大きさ」が分かったということです。
ハリウッドが存在し続ける間、
この9.11事件が風化されることは、きっとないのでしょう。
(http://diarynote.jp/d/74000/20060921.html)、
9.11関連の映画やDVDをよく観ています。
この映画も、ずっと気になっていました。
主人公が乗客でもハイジャック犯でもない。
ハイジャックを知って対策を考えていた管制官や軍の関係者でもない。
ハイジャックの事実さえも知らないまま救助に向かった警察官の、
事実を基にしているからです。
今回、思いっきりネタバレありです。
観る予定のある方、ご注意ください。
内容はといえば…。
NY・港湾警察に勤務する警察官。
飛行機が激突したWTCに勤務していた人たちを避難させるため、助けるために、
情報が様々錯綜する中、出動した。
WTC内で救助活動を始める寸前、ビルが崩壊。
警察官達は瓦礫の下敷きになってしまう。
崩壊途中のビルのため救助は難航。
救助隊もビル内に入ることさえままならない状況の中、
声を上げても届くことはない。
自ら動きたくても、瓦礫の下敷きになってしまい、
どうやら骨折と内臓出血をしているようだ。
そんな中、2人の警察官たちがお互いを励ましあい、助けを待つ間、
それぞれ家族への思いを回想、話し始める。
同じ頃、家族たちも警察官である夫の、父の、安否を心配し続けていた…。
Yahoo!の映画レビューの中で、
「これは一体誰に対しての映画なのか」といったことが書かれていました。
作る側からすれば、「誰」という具体的対象を明確に、
映画を作成するわけではないと思います。
多くの犠牲を伴った、そしてその後の世界をも変えた9.11。
その陰に、こんな事実があったのだということだけを、
伝えたかっただけなのではないかと思うのです。
ただ、「ユナイテッド93」から引続き関連の映画などを観ている私には、
このレビュアーの言葉、よく分かるのです。
ほかの作品だと、ご遺族の方や事件の詳細を知らない人が観たとして、
事件の背景を理解したり、ハイジャック犯たちの反抗を阻止し、
その結果亡くなった乗客たちの死を悼む心が生まれてきますが、
この映画だと、最後には2人の警察官は助かり、
良かったね良かったね、とただ涙し、家族愛に共感し感動します。
見終わった後に生まれる感情が、ほかの作品と較べて弱いからです。
ほかの作品がドキュメンタリーに近いとすれば、この映画は典型的ハリウッド映画。
でももちろん、批判しているわけではありません。
分かりやすいのです。
警察官らしい使命感。助けを待つ間の緊張感。家族への愛情。
瓦礫の下敷きになりながらも、アメリカ人らしいユーモアすらあります。
そして、こんな状態になった時に助け合う人間愛。
主人公とその家族以上に胸を打つ登場人物たち。
救助に向かうビジネスマンは、かつての海兵隊員だった。
消防や警察が崩壊の危険があるため救助をためらう中、
その経験を活かして瓦礫の下に埋もれた警察官達を見つける。
救助隊員たちも、救助途中で崩壊の危険もある中、覚悟を抱いて活動している。
怪我をしている警察官の処置をするため、軽装の男性看護師も
救助隊員と共に瓦礫の下に向かう。
途中、危険だからと戻る事を勧められても、
「リハビリから立ち直り、ようやく人を助けることができるのだから」と、
救助と応急処置を続ける。
中でも一番印象的だったのが、警察官の家族が病院で待つ間、
家族の一人が出会う、ある母親です。
息子がWTCのエレベーターボーイだという黒人女性。
前日、帰りが遅く作った夕食が無駄になったという理由で、
息子を叱ったという女性は、その話をしながら泣き崩れる。
ささやかな日常、ありきたりな家族の話を、テロがつらい思い出へと変えていく。
テロが人生にどれだけ大きな影響を、悲しみを与えたかということを、
端的に理解できるエピソードです。
後半、劇場内は洟をすする音があちこちで聞こえました。
私のひとつ隣に坐っていた女性は、何度も指で目を拭っていました。
分かりやすい分、胸に迫るものがありました。
私も、洟をすすり眼をウルウルさせながら、観ていました。
2人の警察官は何回も手術を受け、1人はどうやら足に障害を負ったようです。
現在は警察を退職し、家族と共に穏やかに生活しているようです。
そして警察官を瓦礫の下から見つけた海兵隊員は、
その後イラクへ向かったそうです。
もう5年。まだ5年。この映画を観て思ったことは、
9.11のテロ事件がアメリカにもたらした衝撃の、
その「大きさ」が分かったということです。
ハリウッドが存在し続ける間、
この9.11事件が風化されることは、きっとないのでしょう。
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