『動物のお医者さん』で有名な漫画家の佐々木倫子さんと、
『○○の館』シリーズで有名な本格派ミステリー作家・
綾辻行人さんのコラボレーション?で
こんな面白いコミックが生まれました。

『月館の殺人』上下刊です。

ちなみに、どちらの作家さんの作品も、
あまり読んだことなかったのですが。

沖縄育ちで鉄道に乗ったことがない主人公・空海(そらみ)。
沖縄には長らく電車・列車といった鉄道関係がなかったのです。
ゆいレールが出来ても、母はそれに娘を乗らせまいとします。
パイロットの父は亡くなり、母と二人暮し。
その母も亡くなり、一人ぼっちだと思っていた時、突然弁護士が現れ、
「あなたにはお祖父さんがいる」と告げるのです。

その祖父に会うため極寒の北海道、
祖父の住む「月館」へと向かう夜行列車「幻夜」に乗り込みます。
同乗の乗客は、「テツ」と呼ばれる鉄道オタクたち。
そして起こった殺人。

何故母は自分を鉄道に乗せたがらなかったのか?
何故母は祖父の事を何も言わなかったのか?

そしてこの殺人事件の犯人は?

まず絵がきれい、丁寧。
大量殺人に繋がっていくんですけど、凄惨な感じがしないのは、
佐々木さんの絵のお陰だと思います。
ミステリーは好きだけど、本格派って時に強引さを感じてちょっと苦手。
なので、綾辻さんの作品もちょっと苦手だったけれど、
この『月館の殺人』読みやすかった。

やや天然ボケの主人公・空海の性格に、自分と近いものを感じて親近感。
鉄道を愛してやまない、個性豊かなテツたち。
ミステリーと言うよりも、そういったキャラクターがとっても面白い。

上巻は読みながらくすくす笑ってしまうこと、数回。
自宅以外じゃ読めなかった^^;
下巻は…上巻で抱いた面白みは失せた感じ。
ミステリーの解決編ですから、仕方ないかな。

上巻は発売当初に漫画喫茶で読んで、下巻発売当時に上下刊とも購入。
だから知らなかったのです。上巻の帯に、
「プレミアム[月館]ジグゾーバズル全員サービス!!」
なんて企画のあった事を!!

すでに締め切りは過ぎていました。
シマッタァ! 欲しかった〜!!!!

別にパズルが好きとかそんなんじゃなく、
単に関連するグッズに興味があっただけなんですけれどね。

ですが、下巻の帯には完結記念としてこんな企画が。
「特製クリスマスカード プレゼント!!」
何でも、佐々木倫子さんの描き下ろしイラストに
綾辻行人さんの書き下ろしメッセージが付いている。

パズルの方が何だか面白そうな気もしたんですけど、もう無理だし。
当選もパズルは全員、こちらのカードは抽選で1,000名。何か貴重かも?

で、応募したのが9月頃。
それからあんまりコミックの方も読まなくなってしまって、
カードに応募したことも、すっかり忘れていました。

それがつい先日、そのカードが届いたのです。

佐々木さんの描き下ろしイラストは、相変わらず丁寧で、
空海にテツたち、弁護士さんに、空海の親友の郁恵ちゃんまでが描かれています。

綾辻さんの書き下ろしメッセージは、随分と読みにくい場所に書かれていて。

それからあらためて読み直す『月館の殺人』。

…あら、郁恵ちゃんって、肝心のコミックでは5ページしか載ってない。

ま、そんなことはいいとして(笑)。

繊細でどこか頼りない空海が、事件を通じて、テツたちとのつながりの中で、
徐々にですが逞しくなっていく様子が何だか微笑ましい。

親近感ある空海と、愛すべきテツたちの今後。
読みたいな〜。続編が出来ないかな。

(ISBN:4091885810 コミック 綾辻 行人 小学館 ¥1,050)

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その後、気になったので調べてみました。

ジグソーパズルのほうは、申込後500円の為替を送って
手に入れるものだったようです。
プレゼントというよりは、購入って言った方が良いような…?

絵柄は「幻夜」だったようで、
完成したら裏に下巻での解決編に繋がるような言葉が書いてある、
といったものだったようです。
丁寧にピースを貼り付ける糊まで入っていたらしい。

う〜ん、申し込んだのがカードだけでよかったみたい(笑)。

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